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ビオトープ管理士ってこんな人たち
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file 005 川又 正寿(かわまた まさとし) さん
【茨城県】

(株)リバーフットリノベーション 代表取締役
2級ビオトープ計画管理士 / 2級ビオトープ施工管理士

現代の水戸学!「コウノトリを再び水戸の空に」

自然を愛し、子どもたちに自然を残して、明るい未来を手渡していきたい。まさに水戸学の敬天愛人、そんなサムライの心を持ったビオトープ管理士がいました。ラジオのパーソナリティでもある川又さんが、その声で水戸にコウノトリを呼ぶ日も遠くはありません。


川又 正寿(かわまた まさとし) さん

ラジオで発信!
その素敵な声で、自然の楽しさや大切さ、自然を
守る方法などが、多くの方々に伝えられています。

偶然か? 必然か?ビオトープ管理士との出会い

〝マーサー川又〞こと川又正寿さんは、建築業に携わる傍ら、ラジオのパーソナリティとして活躍するビオトープ管理士。毎週金曜午前の番組※『River FootStyle』(FMぱるるん)で、その自然体でリラックスした声を聴くことが出来ます。川又さんは、ラジオを通じて将来を担う子どもたちに何を残していくか、何を発信していくかと考えるなかで、迷わず「自然環境の再生」というテーマを選んだそうです。その経緯は1997年に遡ります。

 京都で開かれていた気候変動に関する国際会議と、採択された『京都議定書』。当時そうした動きをテレビで観ていた川又さんは偶然(今から思えば必然ですね)、ビオトープという言葉に出会います。さらに調べていくうち、ビオトープ管理士の資格があることを知りました。もともと自然が大好きだったこともありすぐに受験しましたが、この時は不合格。残念でしたが、ビオトープに基づいた考え方や出題内容には、これまで無かった新鮮な驚きや感動があったと言います。


ニホントカゲの六本木ヒルズ

庭先のちょっとした工夫“ニホントカゲの六本木ヒルズ”。
こうした多孔質の空間は、多くの野生の生きものにとって
重要なビオトープです。

環境問題メインに方向転換広がるビオトープづくり

 近年では言葉自体も普及し、〝ビオトープ〞と呼ばれるものが増えてきましたが、これについて、川又さんにはひとつ思うところがあります。「ビオトープ管理士が関わっていない取り組みには、逆に自然を破壊してしまっているものが多い。自然のためにやっているつもりでも、きちんとした知識や考え方が身に付いていないと、自然を壊してしまうことがあるんです」これは、日常的に自然と触れ合ってきた川又さんだからこそ気が付いたこと。「そういった状況を何とかしたいという想いを持ち、ビオトープ管理士に合格することが出来ました」

 番組は当初、釣りをメインとしたアウトドアの話題が中心でした。しかし、自然のことをもっと知ったもらいたい、好きになってもらいたいという意図とは裏腹に、ゴミ捨てや駐車の問題など、モラルのない人が増えてしまったという反省も…。そして方向転換し、環境問題がメインの番組づくりとなりました。

 「また、講演を聴いてくださった園長先生の依頼で、幼稚園の庭を『園庭ビオトープ』にチェンジ、井戸を利用して水が一年中循環する水辺のビオトープを創出しました」ほか一般のお宅では、震災で崩れてしまった外構えを石垣に。モルタルを一切使わず崩れ積みにして、〝ニホントカゲの六本木ヒルズ〞として隙間を提供するなど、実効性にユーモアをプラスしたビオトープづくりで活躍されています。


園庭ビオトープづくり

園庭ビオトープづくり。
建築士としての専門的な技術と、
ビオトープ管理士としての知識や考え方の融合です。

「同じ想いを持つ仲間を」かつての水戸学のように

 そんな川又さんには夢があります。ホームタウンである水戸の空に、コウノトリを再び羽ばたかせること‐‐。  「昭和51年には、当時21羽しか残っていなかった野生のコウノトリが、水戸までやって来ています。水戸には潜在的にコウノトリの好む地理的要因や環境が揃っているのでは」番組では、そのためにどうしたら良いか、さまざまな提案も発信しています。「ひぬま涸沼(茨城県中部、那珂川水系の汽水湖)の自然を復活させることが重要だと思っています。そして、県内全ての河川を多自然に変化させたい。自然が回復していけば、水戸の空にコウノトリが復活するのではないかと思います」

 関東地方では、広範な県や市町村がタッグを組み、コウノトリをシンボルとした自然再生とそれによる地域振興という、壮大な取り組みが始まっています。そのようななか、川又さんの発信はこれからも続きます。「同じ想いを持つ仲間を増やしたい。かつて明治維新の原動力となった水戸学のように、水戸のビオトープ管理士が世の中のしくみを変える力になっていけばと思います」自然を愛し、子どもたちに自然を残して、明るい未来を手渡していく。まさに敬天愛人、サムライの心を持ったビオトープ管理士がここにいました。





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