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ビオトープ管理士ってこんな人たち
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file 001 江﨑 桂子(えさき けいこ) さん
【京都府】

学校法人近畿大学 管理部 技術員エクステリアデザイナー
2級ビオトープ計画管理士

自分の幅が広がった! 希望していた以上の仕事が出来る

ビオトープ管理士となり、自然を守る仕事に就くという夢を叶えた江﨑さん。周囲の理解や期待も大きく、ビオトープの設計・施工から環境教育まで、ご自身が希望していた以上の仕事が出来ていると言います。


江﨑 桂子(えさき けいこ) さん

「将来の夢は、環境教育のプログラムを充実させて、
日本中の幼稚園や保育所、小学校などに
それを普及し、実践してもらうことです」

子どもの頃から自然が大好き職業とする夢を叶える

 子どもの頃から自然が好きだった江﨑さん。自然を守りたい、自然を守る仕事がしたいとの思いから近畿大学農学部に入学、そこでビオトープ管理士の資格があることを知りました。その後、インターンシップで環境アセスメント関連の会社に赴いていた折、社員の方から自然を守る仕事がしたいならビオトープ管理士が有効だと聞き、ならばということで受験し合格。在学中にNPOの理事を経て、母校の近畿大学に〝エクステリアデザイナー〞として勤めています。

 あまり聞き慣れない言葉ですが、エクステリアデザイナーというのはどのようなお仕事ですか?「いわゆる技術職で、建物の外部(おもに植栽関係)の空間をデザインします。たとえば、小学校を設計する場合の校内の植栽をどうするか、ビオトープをどう設置するかといったことを考えたりする仕事です」。発想次第でいろいと工夫が出来る、面白そうなお仕事ですね。


新しくつくられる公園で「再生の森づくり」

新しくつくられる公園で「再生の森づくり」。
ここで開かれる環境教室で、
子どもたちにレクチャーを行います。

「人と自然の架け橋に…」専門性を活かせる技術員に

 しかし、インターンからそのままアセスメントの業界には進まなかったのですか? 「それも考えたのですが、大学が好きだったことと、NPOで環境教育を実践するなかで、人に伝える楽しさを感じ、人と自然の架け橋になりたいと思うようになりました。その中で、専門性を活かせる大学の技術員として採用が決まりました」

 エクステリアデザイナーとして活躍しつつ、環境教育にも関わることが出来ているという江﨑さん。現在は近畿大学附属小学校で、ビオトーププロジェクト『ホタル復活活動』にも携わっています。このプロジェクトでは、ゲンジボタルの飛び交っていた30年前の自然環境を再生し、いずれは再びホタルを定着させるという大きな目標のもと、ビオトープの設計、施工を担当。児童によるホタルの繁殖活動や環境教育、観察会なども実施しています。


近畿大学附属小学校の学校ビオトープ「まなびお」づくりのようす

近畿大学附属小学校の学校ビオトープ
「まなびお」づくりのようす

次は1級にステップアップ将来の夢は「日本中に普及、実践」

 今では生態観察が出来るほどまで自然が戻り、前回の全国学校・園庭ビオトープコンクールで日本生態系協会賞を受賞しました。「学校ビオトープの取り組みは継続させるのが大切。基本的には先生や児童だけでなく、保護者や地域のNPOなど沢山の人が関わりサポートする体制を整えることがベストだと思っています。そのため、プロジェクトの発足当初から多くの人に関わっていただき、取り組みを進めています」

 継続性も見据えた取り組みですが、ビオトープ管理士となったことで業者の方とのやりとりもスムースになり、専門家の意見として耳を傾けて貰えるようになりました。仕事でビオトープの審査やアドバイザー、授業も担当し、自分の幅が広がったと江﨑さんは言います。「ビオトープ管理士として、自分の希望していた以上の仕事が出来ています」


近畿大学附属小学校の学校ビオトープ「まなびお」づくりのようす

近畿大学附属小学校の学校ビオトープ
「まなびお」づくりのようす

 さて、ビオトープ管理士として充実した毎日を過ごされていますが、今度は1級ビオトープ管理士の試験に挑戦されるとか。1級は責任者レベルの実力が想定され、現場の経験は2級以上に重要視されます。そのため、さらに経験を積み、もっと〝ひきだし〞を増やしていきたいと今日も頑張る江﨑さん。「日常的にビオトープを意識し、どうすれば良い方に向けることが出来るのかをイメージしながら取り組んでいます。現場の声と顔を大切にして、自然の声の代弁者として設計を行い、人も含めた生きものの空間をデザインしていければ」


完成間もない頃の春の全景

完成間もない頃の春の全景。
ゲンジボタルの再定着を目指し30年前の自然環境を
再生しました。設計や施工、授業まで、専門家である
ビオトープ管理士として責任を持って携わります。


 ビオトープづくりと人づくり、ハードとソフト。いずれもこれからのまちづくりには欠かせない要素ですよね。「将来の夢は、環境教育のプログラムを充実させて、日本中の幼稚園や保育所、小学校などにそれを普及し、実践してもらうことです」自然の再生や保全を行う仕事に就きたかったという江﨑さんの夢。これから先の社会を担う子どもたちにもきっと受け継がれていくことでしょう。


ビオトープ管理士の紹介

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